【機内持ち込み不可】犬を飛行機に乗せるときの準備と国内線料金
北海道から沖縄まで日本国内の旅行や帰省・仕事など、どうしても犬を飛行機に乗せたい機会が出てきますよね。
しかし、電車と異なり飛行機の場合はクレートであっても人間と一緒に客室内に持ち込むことは出来ません。
犬を飛行機に乗せるためには事前に準備しておくこと、確認しておくべきことがあり、当日も人間とは別に手続きをする必要があります。
国内線では各航空会社によって取り決めが異なるため詳しくは一覧表にて紹介しますが、まずは犬を飛行機に乗せる際に全般的に注意すべきことから見ていきましょう。
もくじ(タッチすると移動します)
犬の健康状態を確認する
以下のような健康状態の場合、犬を飛行機に乗せるにはリスクがあります。
- 食欲がない、元気がない
- 嘔吐、下痢をしている
- 咳、くしゃみをしている
- 熱がある
- 呼吸が荒い、心拍数が上がっている
- ふらふらと歩く
輸送環境とストレスによるリスク
普段から飛行機に乗り慣れている犬であれば問題ないのですが、はじめて飛行機に乗せる場合犬にとってかなり負担がかかります。
例えば、飼い主と長時間離れた経験がなかったり、クレート(移動用ハウス)に入れたことが一度もない場合はそれだけでストレスになります。
照明と音
犬が乗る貨物室は飛行中は照明が消え真っ暗になります。それと同時に様々な音による影響が考えられます。
例えば、乗り降りの際であれば他の飛行機音や車両音、離陸・着陸、飛行中は機械の操作音や風切り音などかなりの音によるストレスを受けます。
飛行機の貨物室は気体後方下にありますが、以前私が飛行機に乗った際、離陸前からずっと吠えている犬がおり客室まで声が聞こえました。
飛行機に乗ったことがある方ならお分かりだと思いますが離陸と着陸時の音と衝撃は人間でも一瞬構えてしまいますよね。
人間の可聴周波数が20~2万ヘルツなのに対し犬は40~4万ヘルツと2倍以上の高い音も聞こえるため音による体への影響は相当なものだと考えられます。
温度と湿度
貨物室内の空調は客室同様の設備になっているため貨物室内の温度は約15~20度程度に保つようになっています。
しかし、荷物の出し入れの際、駐機場の天候の影響を受け外気温と比べてより高温、低温になる可能性があります。
また到着時には急に外気にされされるため、温度差による体への影響も考えられます。
特に7月半ば~9月半ばの夏季期間中はできれば日中の輸送を避け、朝夕の涼しい時間帯での輸送にしたいものです。
気圧
飛行中の貨物室の気圧はだいたい0.8気圧になります。
2000mの山頂の気圧が0.8気圧とされており、上昇・下降時における耳への影響があります。
これは私たち人間が飛行機の上昇時に感じる“耳きーん”のことです。
短頭種・短吻種
短頭種(たんとうしゅ)・短吻種(たんふんしゅ)とはどちらも同じ意味ですが、上写真のような鼻がぺちゃっとしている犬種は呼吸がしづらい骨格をしているため熱中症など体調に変調をきたしやすいです。
人間は汗をかくことによって体温調節できますが犬は舌を出してハァハァと呼吸し唾液を蒸発させることによって体温を発散させています。
犬は熱中症になると人間が水をかけたりするなどして対処してあげないと最悪死んでしまいます。
特に以下のような鼻ぺちゃの犬種は暑さや寒さにも弱く、航空機輸送によって体長に変調をきたしやすいため多くの航空会社では搭乗に制限を設けています。
預かり中止の犬種
ANA全日空(6月1日~9月30日までは預かり中止)
ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、ボクサー、シーズー、ボストン・テリア、ブル・テリア、
キングチャールズ・スパニエル、チベタン・スパニエル、ブリュッセル・グリフォン、
チャウチャウ、パグ、チン、ペキニーズ
JAL日本航空(周年)
フレンチ・ブルドッグ、ブルドッグ
スカイマーク(周年)
パグ、シーズ-、ボストン・テリア、ペキニーズ、チン、ボクサー、ブルドッグ、チベタン・スパニエルなどの短吻種犬
スターフライヤー(6月1日~9月30日までは預かり中止)
ブルドッグ、フレンチブルドッグ、ボクサー、シーズ、テリア(ボストン・テリア、ブル・テリア)
スパニエル(キングスチャールズ・スパニエル、チベタン・スパニエル)、ブリュッセル・グリフォン
チャウチャウ、パグ、チン、ペキニーズ(13犬種)
※上記以外の類似名の犬種についてはOK
北海道国際航空(AIR DO) (6月1日~9月30日までは預かり中止)
ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、ボクサー、シーズー、ボストン・テリア、ブル・テリア、キングチャールズ・スパニエル、チベタン・スパニエル、ブリュッセル・グリフォン、チャウチャウ、パグ、チン、ペキニーズ
※上記13種以外は類似した名前であっても受託可能。
(例 :アメリカン・ピット・ブル・テリア、キャバリア・キングチャールズ・スパニエル等はお預かり可)
その他、健康面で預かれない犬(ANA全日空の例)
- 飛行機に乗せられるような健康状態ではない
- 心臓疾患、呼吸器疾患がある
- 生後4ヶ月未満である
- 妊娠している
準備しておくこと
同意書の記入
各航空会社では万が一犬にケガや死亡などの事故が生じてしまった際に備え、会社に責任を問わないことへの同意書を書かせています。
同意書は各航空会社の公式サイトからダウンロードできます。
万が一忘れても当日手荷物カウンターで記入すれば問題ありませんが事前に用意して持参すれば手続きがスムーズに進み時短できますね。
ペットケージ、クレートの用意・貸し出し利用の確認
犬を飛行機に乗せるためにはクレートなどのケージに入れる必要があります。
輸送できれば何でもいいわけではなくIATA(国際航空運送協会)の規定に適合した航空輸送に耐えられる屋根つきの強度のあるプラスチックや金属素材でできているなどの規格のケージでなければいけません。
頻繁に飛行機を利用する人や愛犬専用のケージだと自分の臭いがついているため犬が落ち着けるなどの理由から購入しても良いですが、あまり犬を飛行機に乗せる機会が少ない人は無料で航空会社が貸し出してくれます。
ただし年末やGWなど大型連休時には数に限りがあるため借りられないこともありますので事前に搭乗予定の航空会社に連絡し確認しておきましょう。
大きさの参考
引用:https://www.jal.co.jp/dom/support/pet/
引用:http://www.ana.co.jp/serviceinfo/domestic/support/pets/index.html
暑さ寒さ対策
ノズル式給水器の設置
熱中症予防や脱水症状対策のためにケージに固定できるノズル式給水器を取り付けておきましょう。
ちなみに搭乗時、ケージ同様航空会社によって給水器の貸し出しもあります。
クールマット、冷却グッズ、トリミング、毛布、カイロの準備
夏場と冬場に関しては犬が快適に過ごせるようなものを用意しておきましょう。
またポメラニアンやゴールデンレトリバーなどのアンダーコート(下毛)のある犬種はトリミングによって涼しくなるように整えておくこともおすすめです。
航空会社別国内線料金一覧表
航空会社 | ペット料金(ケージ1個につき1区間) |
ANA全日空 | 6,000円(一部路線4,000円) |
JAL日本航空 | 3,000円~6,000円(路線による) |
スカイマーク | 一律5,000円 |
スターフライヤー | 一律6,000円 |
ソラシドエアー | 6,000円(一部路線4,000円) |
北海道国際航空(AIR DO) | 一律6,000円 |
ジェットスター | ペット預かり不可 |
ピーチ・アビエーション | ペット預かり不可 |
搭乗当日の流れ
手荷物カウンターへ行く
各航空会社や空港によって場所は異なりますが、搭乗手続き30分(スカイマークは60分)前までに手荷物カウンターへ搭乗手続きをしに行きましょう。その際に同意書にサインをします。
犬を預ける(チェックイン)
ここで愛犬としばしのお別れです。
犬はこのまますぐに飛行機に乗せられるのではなく、出発の15~30分前まで空調設備が整った保管室で待機されます。
早く機体に乗せられてしまうことによる熱中症や脱水症状等を犬の体調に万全の対応を採っています。
犬を預ける前に注意したいポイントは以下です。
- 食事
- トイレ
- 給水
- ノズル式給水器の確認(ANA・AIR DOは給水器サービスあり)
- ケージに名前(持参のケージの場合)
- トイレシーツの設置確認(持参のケージの場合)
手荷物カウンターへ預けたら基本的に目的地に到着するまでケージから出すことは出来ません。
そのため熱中症や脱水症状防止のために十分な水分補給をさせておきましょう。
さらに給水器の設置確認、犬の食事やトイレは預ける前に済ませておく必要があります。
そうはいっても動物なのでパニックや我慢できずトイレをしてしまうこともあります。
なのでペットケージの中に必ずトイレシーツを敷いておきましょう。尚、航空会社による貸し出しケージを利用する場合は持参する必要はありません。
飛行機へ運ばれる
引用:https://www.ana.co.jp/serviceinfo/international/support/pets/flow.html
係員によって車両に乗せられ飛行機の貨物室(バルクカーゴルーム)に乗せられます。
記事前半でも説明したように貨物室は客室同様に温度・湿度調節されているため熱中症対策等は取らていますが、外気温の影響を受けることもあることを覚えておきましょう。
目的地到着後
目的地の空港に着くと、係員が貨物室から到着ロビーまで慎重に運び手荷物受取エリアで直接飼い主に手渡してくれます。環境の変化によって到着後に体調に変調をきたすケースもあるため、帰宅後は安静に休ませてあげましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
犬を飛行機に乗せることは最悪死亡してしまうことも想定しなければならないほど、かなりリスクの高い行為でもあります。
もちろん、飛行機での輸送に耐えられる犬も普通に多くいるため利用することには賛成ですが、事故とは誰にでも降りかかる予期せぬ災難であることは覚悟しておきましょう。
なぜこのようなことを申し上げるのかというと実際に死亡事故が起きているからです。
あまり脅し過ぎてしまうと飛行機に乗せるのを躊躇してしまうかもしれませんが、犬を飛行機に乗せる際は十分に犬の体調が健康な状態であることだけは忘れずに確認して下さい。
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