【お金かかるが人が好き】もふもふ犬ビション・フリーゼの飼い方
わたあめのようにまん丸の顔と体が特徴的なビション・フリーゼ。
「もふもふ犬」としてテレビや雑誌などのメディアで取り上げられたり、たまに街で見かけることもありますが、まだまだメジャーな犬種ではありません。
先日近所にできた大型ペットショップに珍しくビション・フリーゼの子犬が販売されていました。
私はビションが大好きなので一人興奮していたのですが、来ていたお客さん達もトイ・プードルやフレンチ・ブルドッグなどに夢中でビション・フリーゼちゃんは陰に隠れてしまっていましたね。残念。
今回はトイ・プードルの次に必ずブレイクするであろうビション・フリーゼについて初心者の人でもわかるようにその魅力をご紹介したいと思います。
もくじ(タッチすると移動します)
性格とビションブリッツの原因
ビション・フリーゼの性格は活発で陽気、愛情深く、飼い主はもちろんのこと知らない人や犬などにも友好的でとても人になつくフレンドリーな犬種です。また頭もよくしつけやすいのも特徴です。
プードルと比較されることが多いですが確かに性格の違いはあります。
もっとも性格の良し悪しは犬種に関係なくその個体、育て方によっても変わってくるのですが、トイ・プードルは元々鳥猟犬だったこともあり他の動物に対してはビション・フリーゼほどフレンドリーではない、
双方活発ではあるけれどトイ・プードルはヤンチャな活発さでビション・フリーゼは動きが静か、
しかし、「ビションブリッツ」「ビションスイッチ」と呼ばれる急にはしゃぎ出し、走り回る行動を起こします。“ビションの運動会”なんて呼ぶ人もいます。
なのでやはり性格面においてどちらが優劣ということはいえません。
ビションブリッツが起きる原因に関しては実ははっきりとはわかっていません。ですが、海外のサイトを調べていくと、ビション・フリーゼは猟犬ではないが遊び好きな性格を持っているため、興奮してきて遊ぶ準備が整っていると自らが感じたときに、そのエネルギーが爆発するのが原因と書かれています。
狩猟犬が獲物を見つけたときに追いかけてしまう衝動的な感覚と似ているのかもしれませんね。
ちなみに、ビションブリッツは興奮がおさまり疲れてくると自然に止みますので心配いりません。
体の特徴
体高23~31㎝、体重3~6㎏。
パウダーパフと呼ばれるアフロのようなカット技法のせいか丸い頭をしているように見えますが、実際は頭部は平たくマルチーズやトイ・プードルよりも体格はがっちりしています。
もちろん個体差によって3㎏の子もいれば10㎏超の子もいますが総じてそれらの犬種よりは体ががっちりむっちりしている大きい犬種です。
ビション・フリーゼの被毛はダブルコートと言われる2層構造になっていて毛質は絹糸状であるが上毛はらせん状のゆる~い巻き毛、下毛は密集した柔らかい毛になっています。
毛がほとんど抜け落ちない分、最低月1回サロンに出してトリミングをしてもらわないと毛が絡まってしまい風通しが悪くなるため皮膚病の原因になり兼ねません。
毛色は純白であるのが理想とされています。
歴史
ビション・フリーゼの歴史には諸説あります。まずはマルチーズの祖先であり地中海沿岸地域に見られたスピッツ系から進化した説、
次に地中海南部においてミニチュア・スパニエルとミニチュア・プードルの混交から誕生したという説、
そしてこれらの小型の白い長毛種を基盤にイタリアにおいてバルビションという犬が誕生し、それがビション・フリーゼの名前の源になったとった説があります。
またバルビションはのちに以下4つの種類に分類されるようになります。
- ビション・マルチーズ
- ビション・ボロネーゼ
- ビション・ハバナ
- ビション・テネリフェ
これらの犬は小型で人懐こい性格を持ったいたためしばしば物々交換の品物として船で大陸間を運ばれることもありました。
スペインでは早くから愛好されていたためスペイン人の船員によりカナリア諸島にあるテネリフェ島(ヨーロッパのハワイなどと現在でも呼ばれている大西洋上の島)に上記のどれかが持ち込まれたと言われています。
通常のビションに商業的な付加価値をつける目的で「テネリフェ」という名前が使われたようです。
1300年代にイタリア人船員によりビションが再発見され持ち帰りました。その当時のイタリアには珍しい犬だったため貴族の間で寵愛されたそうです。さらにフランスやスペインの宮廷でも愛されていたようです。
18世紀のスペイン人画家ゴヤの作品にはビションらしき白い小型犬が描かれていますが、おそらくこちらはビション・マルチーズを起源にもつ現在のボロニーズではないかと思われます。
下の絵画はゴヤがオーストリアの女帝マリア・テレジアの娘時代を描いたもので、マリア・テレジアはボロニーズの祖であるビション・マルチーズを寵愛したと言われています。
またゴヤは彼のパトロンであるアルバ公爵夫人(マリア・デ・シルバ・イ・アルバレス・デ・トレド)を描いていますが(下の絵)ここには同時代にフランスにいた犬種、ローシェンらしき犬が描かれているというのですが、私にはどちらも同じ犬種に見えます。。。
この当時はライオンに似せた「ライオン・クリップ」というカット方法が主流だったことが絵画からも読み取ることができますね。
しかし、貴族間で寵愛されていたビションですが数が増えたこともあり19世紀後半には庶民の犬になりサーカスの曲芸や大道芸人のお伴をするようになります。
第一次世界大戦後フランス人により繁殖に力が入れられ1933年にフランスで正式犬種に認められました。
当時は「ビション」「テネリフェ」の両方の通称名があったためFCI(国際畜犬連盟)にて「ビション・フリーゼ」という名前が誕生しました。正式な犬種承認は1973年です。
飼い方
ビション・フリーゼはトイ・プードルなどに人気に隠れてまだまだ世間一般に広く知られた犬種ではありせんが、初心者の人にとっても飼いやすい犬種の1つです。
性格に関しては申し分ありませんがやはり飼う上での最大のポイントは被毛の手入れです。(グルーミングといいます。“トリミング”はカットなど被毛を整える技術を指しグルーミングの中に含まれます)
よく、何もしなくてもビション・フリーゼ独特のパウダーパフと呼ばれるアフロヘアーに成長すると思っている人がいますがあれは、アメリカのトリマーが考案したトリミングスタイルの1つで、チャンピオン犬のようなふわふわしたまん丸の被毛に仕上げるにはこまめにサロンに出す必要があります。なのでお金はかかります。
何もしていないビションは白いプードルのようです(写真)。
生後3カ月くらいから定期的なトリミングが必要になりますが、生まれつきの毛質と毛量によって綺麗に仕上がるか否かの問題もありますが硬性のあるしっかりとした毛質になるには生後2、3年くらいまでかかるのです。
日頃の管理をしないと毛がもつれ刈らざるを得ないこともあります。
活発に走り回りますが体自体が小さいので散歩は1日10分程度。
地中海沿岸原産の犬種であるため日本の夏のような高湿度の環境は苦手なので室内飼いでエアコンは必需です。
最近のコメント